不妊症とは?
不妊症とは?
1年間避妊しないで妊娠しない場合をいいます。
2023年のデータでは世界で6組に1組が不妊を経験し、検査や治療で医療機関を受診する割合は3~4組に1組と言われています。2021年には出生児の約12人に1人が体外受精で生まれており、その割合は増加しています。
不妊症の原因は?
女性側・男性側・男女両方・原因不明など様々です。女性側の原因が大きいイメージがありますが、実際は男性側に原因がある場合も多く、「男性側」「男女両方」でみると、50%近くで男性側の原因も含まれます。
女性不妊の原因
女性は年齢とともに妊娠率が低下し、流産率が高くなります。女性側の不妊の原因を大きく分けると、以下の2つです。また、原因不明である場合や、周期ごとに不幸な偶然が重なっている場合もあります。
①卵子と精子が出会えない(排卵が起こらない、卵管が詰まっているなど)
②子宮に着床しない
女性不妊の原因として診断されやすいもの
排卵障害・無排卵、高プラクチン血症、黄体機能不全、子宮内膜症など様々です。
男性不妊の原因
最も多い原因は精子を作る力の低下で、原因の80%を占めています。
不妊症の治療は?
タイミング法…基礎体温や超音波検査などを参考にしながら排卵日を予測して、最も妊娠しやすいタイミングに性交渉を行う方法
タイミング法+排卵誘発法…タイミング法とともに、注射や内服による排卵誘発剤を併用する方法
排卵誘発法+人工授精…排卵誘発法とともに、子宮内に直接精子を注入する方法
体外受精…卵巣から卵子を取り出し、卵子と精子を体外で受精させ、受精卵を子宮に戻す方法
顕微受精…顕微鏡で確認しながら卵子に精子を直接注入する方法
不妊治療は体力的・精神的・金銭的・時間的に負担が大きいと言えます。
妊娠の流れ
妊娠するまでの流れ
① 排卵
卵巣で卵子を含む卵胞が成長します。
直径20mmほどに育つと、卵巣から卵子が放出されます(排卵)。
卵子は卵管に取り込まれます。
受精しなかった場合の卵子の寿命は、排卵後約24時間です。
② 射精
射精された精子は腟、子宮、卵管へと進みます。
射精後の精子の寿命は3日間です。
③ 受精
卵管内で卵子と精子が出会い融合します。
受精卵は、細胞分裂をくり返しながら4~6日かけて卵管から子宮へ移動します。
④ 着床
子宮内へ到着した受精卵が7日目位に子宮内膜にもぐりこむ=着床が始まります。
受精卵ができてから12日頃に着床が完了、妊娠となります。
不妊治療と鍼灸
不妊治療に鍼灸は効く?
近年、不妊症に対する鍼灸治療が注目を集めています。特に海外からの論文が増えてきており、「鍼灸は有効である」という研究報告やエビデンスがそろってきています。
鍼灸で目指すのは
「自然妊娠・出産ができる体づくりのお手伝い」と、「西洋医学の不妊治療のサポート」を目指します。
具体的には以下の4つとなります。
①ホルモン環境や排卵機能の改善
②子宮環境の改善
③卵子の質の改善
④精子や男性の性機能の改善
女性不妊に対する鍼灸の効果
①ホルモン環境や排卵機能の改善
ホルモン環境の改善はすべての治療の基礎となります。特に排卵障害では重要なポイントです。
排卵障害には、中枢性(ストレスや急激な減量などによる視床下部性、高プラクチン血症や甲状腺機能低下症による下垂体性など)、卵巣性(早発閉経、多嚢胞性卵巣など)があります。
多嚢胞性卵巣(PCO)とは、卵胞の成⻑が途中で止まり、たくさんの⼩さな卵胞(嚢胞)が卵巣内にとどまってしまう病気です。無月経(3か月以上月経がない)、稀発月経(月経周期が39日以上)、無排卵周期(月経はあるが排卵がない)などの月経異常が多く見られます。排卵の予測が難しく妊娠しにくい、排卵誘発剤に過剰に反応しやすい、流産率が高いなどの問題があります。
②子宮環境の改善
月経痛、PMS(月経前症候群)に対する治療を行います。
月経困難症とは?
月経期間中に月経にともなっておこる病的な状態で、日常生活に支障をきたす場合をいいます。下腹部痛、腰痛などの月経痛に加え、おなかの張り、吐き気、頭痛、疲労・脱力感、食欲不振、気分障害などの症状も含まれます。原因疾患がない場合と、原因疾患による場合とがあります。原因疾患として多いのは「子宮内膜症」「子宮腺筋症」などです。
子宮内膜症とは?
子宮内膜またはそれに似た組織が、本来あるべき子宮の内側以外の場所で発生し発育する疾患です。
症状1.痛み
月経の際子宮内膜から分泌される痛みの原因物質(プロスタグランジン)が、子宮内膜症がある場所からも分泌されるため、月経痛が強くなります。年齢とともに痛みが強くなる傾向にあります。また、月経時以外にも下腹部痛や腰痛、排便痛、性交痛などがあらわれることもあります。
症状2.不妊
卵管などの癒着や閉塞、卵胞の発育障害、卵質の低下、腹腔内の免疫異常など、様々な要因により不妊の原因となります。
③卵子の質の改善
卵子は胎児期から持っているので、卵子の年齢は実年齢+1歳です。卵子は新しく作られることはないので、年齢とともに減っていきます。鍼灸治療では、卵巣の血流を改善し、休眠していた卵への栄養供給を目指します。実際、マウスによる実験等で、卵巣血流が大きく改善されることが報告されています。
女性不妊への鍼灸治療の進め方
月経トラブル(月経の周期=排卵障害)への対応や、月経痛やPMSへの対応を行います。また、 卵巣機能が衰えている場合が多いので、残存している卵の質の改善を目指します。
卵子の成熟には3ヶ月、月経症状には2~3周期の治療が必要となりますので、最低4ヶ月が目安となります。2週に3回程度の治療が理想です。4ヶ月以降は週に1回となります。
男性不妊に対する鍼灸の効果
精子や男性の性機能の改善
男性不妊の原因で一番多いのは造精機能障害です。精子をつくり出す機能に問題があり、精子をうまくつくれない状態です。精巣や内分泌系(ホルモン分泌等)の異常が原因ですが、原因不明の場合も多くあります。
• 無精子症:精液に精子がいない状態
• 乏精子症:精子の数が1mlあたり1600万以下
• 精子無力症 :運動している精子が42%未満
他の原因としては、勃起や射精ができない性機能障害、精子の通り道が詰まった精路閉塞障害などがあります。
男性不妊への鍼灸治療の進め方
精液所見の改善には、卵子同様最低でも4ヶ月が必要となります。鍼灸治療により精子の生存性や運動率の改善が期待されるため、自然妊娠、人工授精、体外受精いずれの場合でも良い効果が期待できます。採卵直前や人工授精前の鍼灸治療も勧められます。
鍼灸治療は男性の不妊に対しても効果が報告されています。
●日本自律神経学会誌…精液採取前日に仙骨部骨膜への鍼刺激を行うことで、低運動群の精子運動率が上昇する
●全日本鍼灸学会で発表…鼠径部へ3ヶ月間の鍼通電刺激を行うことで、精子数と精子運動率が上昇する
不妊でお悩みの方へ
不妊でお悩みの皆様へ
不妊治療は体力的にも精神的にも負担が大きい治療です。
医療機関と鍼灸院の不妊治療の違いは、医療機関での治療は基本的に周期ごとに完結しますが、鍼灸治療は一回ごとの効果の積み重ねであることです。鍼灸治療では体質の改善から妊娠しやすい体づくりを目指していきます。体だけでなく、ストレスなどの精神面も同時にケアします。
また、鍼灸単独だけではなく、医療機関での不妊治療との併用ももちろん可能です。医療による不妊治療の効果が出やすくなるよう、サポートしていきます。
当院では患者様ひとりひとりのお身体とお悩みに真摯に向き合います。体と心のケアを行い、皆様の不安に寄り添いながら治療を行っていきます。不妊症でお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。
どのメニュー・コースを
選んで良いか分からなくても大丈夫
ネット予約ボタンをクリックし、
無料相談をご予約下さい
ご希望の来店日時を選択し
予約完了までお進み下さい
案内に従い、
ご登録頂けたら幸いです↓